プロ野球選手の引退後とは

50歳を超えるプロ野球ファンならば、かつて読売個人軍の投手陣のなかでもひと際目だった投手のひとり、入来投手をご存知の方もいると思われます。彼は1996年に当時の逆指名制度1位で読売ジャイアンツに入団、アクシデントに苦しみながらも個人ファンを魅了し、その速球は見ごとの一言に尽きました。その後日本ハムへ移籍しますが、2005年にはアメリカへわたりメッツ、ブルージェイズに籍を置いた後、2007年には横浜ベイスターズで引退し、選手生活を終えています。
彼は、その後、プロ野球選手という華々しい舞台から一転して、横浜ベイスターズの用具係を務めました。選手が使うボールを磨いたり、球場のグラウンドをならしたり、野球が好きでなければやっていけないような仕事に就くのです。それでも彼は自分の仕事に誇りを持っていました。それは、自分の生きる道はプロ野球しかないという信念に裏打ちされたものに他ならないと思われます。
現在でこそ、福岡ソフトバンクの投手コーチを務めていますが、用具係をしていた頃の苦労が報われたと言わざるを得ません。人にはさまざまな生き方があります。プロ野球解説者としてメディアに頻繁に登場する人もいますが、彼のように用具係の道に身を置く大選手もいるのです。そんな入来祐作氏を愛するファンも少なくないと考えられます。