• 50歳以上が感動するプロ野球の思い出1
  • 50歳以上が感動するプロ野球の思い出2

プロ野球の良さを改めて伝えた「江夏の21球」

江夏の21球

プロ野球での思い出の名場面といってすぐに思い浮かべるものは、「江夏の21球」。1979年のセリーグとパリーグの覇者が決する、日本シリーズでの名場面です。主役はもちろんピッチャーの江夏豊投手です。

江夏は阪神にドラフト1位で入団し、その後南海、広島、日ハム、西武と渡り歩いた速球投手です。「江夏の21球」は広島時代、近鉄との日本シリーズで3勝3敗で迎えた最終戦、4-3で勝っているときにリリーフに立った江夏は9回ウラにノーアウト満塁のピンチを迎えます。

一打逆転サヨナラの場面、バッター佐々木をまず三振に仕留めます。この間の監督古葉のピッチャー交代の動きを見て憤慨した江夏を慰めた1塁手衣笠の動きも名場面ですが、1アウト満塁の場面の次の投球が「江夏の21球」のハイライト。バッター石渡に対する1ストライクから投げた2球目、3塁ランナーが走るのが目に入って、カーブの握りのまま高いウエストボールを投げました。スクイズ失敗、ランナータッチアウト。その後三振ゲームセット。

世間一般的には、カーブの握りのままウエストボールを投げたことが話題になりましたが、その後、江夏はこう語っています。「あのときウエストボールを投げる前のセットポジションのとき、一塁ランナーの平野と目が合った」「そのギラギラとした目付きでスクイズのサインが出されたことを察知した」と語っています。江夏が9回に投げた21球は未だ野球の名場面。